お着物で優雅に街を散策することに憧れてはいるものの、敷居が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
私もその1人でした。
もともとレトロなものや古いものが大好きで、好きな漫画や小説の影響でお着物に強い憧れを持っていました。
しかし自分で着付けができないことに加えて、お着物を購入するのはまだハードルが高く、街でお着物の方を見かけて「いいなぁ」と思いつつつも、実際に行動に移すまではいかない日々が続いていました。
そんな中、博多にお着物のレンタルサービスがあることを知りました。
かねてからのお着物への憧れと、レンタルという気軽さから、私はお着物のレンタルを体験してみることにしました。
和凛での着付け体験
今回私が向かったのは、博多にある「博多和凛」というお店です。
博多和凛は、福岡市の指定文化財である町家棟内にあるお着物のレンタル屋さんで、町家棟は明治中期に博多織元の住居兼工場としてたてられた町家を移築復元したものなんだそうです。
まるで明治時代にタイムスリップしたかのような雰囲気です。
店内に入ると、店員さんが明るく迎えてくれました。
さっそくお着物を選びます。
本格的なお着物から夏着物、浴衣まで色々なバリュエーションがありました。
中にはメンズのお着物も。
男性もお着物を楽しめるのは素敵ですね。
今回は涼しげな紫陽花の夏着物をチョイスしました。 お着物を選んだら、着付けブースへと移動します。
お着物に必要な下着や小物、足袋などすべてのものをレンタルできるので安心でした。
帯や帯留めを選び、着付けしてもらいます。
着付けが終わると次はヘアセットです。
色とりどりの髪飾りがあり、迷ってしまうほどでした。
せっかくなのでお着物に合わせて紫陽花の髪飾りをチョイスしました。
選んだ髪飾りを使ってヘアメイクしてもらいます。 私は肩くらいのウルフヘアだったのですが、自分ではできないアップヘアにしてもらいました!
最後にバッグと草履を選んで……着付け完了です。
建物の中庭で写真を撮ってもらいました。
お着物を着るのは成人式以来だったのでとても貴重な経験でした!
そのあとはいよいよ博多の街を散策です。
指定文化祭町家
まずは和凛と同じ建物にある指定文化祭町家棟内を見て回ることにしました。
こちらの建物では博多の伝統工芸を実演しているブースがあり、その日は博多織を見ることができました。
木製の大きな機械を人の手で動かし博多織を紡いでいく様子はとても見応えがありました。
建物の中にはおみやげやさんコーナーもあり、そこには博多織のグッズもおいてありました。
和風の小物はとても素敵で、欲しくなってしまいました…..!
博多の総鎮守櫛田神社
次に向かったのは櫛田神社です。
櫛田神社は博多祇園山笠が奉納される神社で、博多の総鎮守です。
櫛田神社のご利益は、縁結び・商売繁盛・夫婦円満・不老長寿などだと言われています。
その日は平日だったのですが参拝客でとても賑わっていました。
お着物で参拝をするとなんだか心が洗われるような気分になりました。
レトロな洋館 旧福岡県公会堂貴賓館
次に向かったのは旧福岡県公会堂貴賓館です。
貴賓館は天神中央公園内にあるフレンチルネサンス様式の木造建築物で、国指定重要文化財にも指定されています。
現代の福岡の街の中に、こんなレトロな建物があるんです。
貴賓館の中を早速探索してみます。
貴賓館は明治43年に建設された建物で、その中は貴賓室、応接室、化粧室、寝室など当時の様子を再現した部屋を見ることができます。
中には当時の歴史について知ることができるようなパネルがあり、とても好奇心をくすぐられます。
そしてこの貴賓館にはカフェがあるんです。
アフタヌーンティーセットやコーヒー、ケーキなど様々なメニューがあります。
タッチパネルで注文し、カフェの中に入ります。
カフェの内装もまるでタイムスリップしたかのような素敵なデザインです。
窓の外には天神中央公園ののどかな雰囲気が広がります。
今回注文したのはバームクーヘンと北欧紅茶のセット。
北欧紅茶はセーデルブレンドとも呼ばれ、スウェーデン王室でも愛飲され、ノーベル賞授賞式の晩餐会でも供される紅茶です。
洋装とお着物、洋風のものと和風のものがどちらも栄えていた和洋折衷の明治時代。
お着物を着てハイカラなティータイムを楽しみながら、当時の人はどんな毎日を送っていたのだろうかと想いを馳せる素敵な時間でした。
中洲商店街
次に向かったのは中洲商店街です。
中洲商店街は活気に満ち、様々な魅力的な店舗が並んでいます。
まず目に入ったのは、昔ながらの和菓子店でした。
店主の笑顔と共に、手作りの美味しい和菓子が並べられており、地元の人々に愛されているのがよくわかります。
新鮮な魚介類を取り扱う魚屋もあり、その日の朝に獲れたばかりの魚が並んでいました。
さらに、おしゃれなカフェやレトロな雑貨屋も点在しており、若者から年配の方まで楽しめる場所だと感じました。
地域の人々の日常の一部として、また観光客にも新たな発見を提供するような素敵な場所でした。
博多座で歌舞伎鑑賞
最後に向かったのは博多座です。
この時期は歌舞伎が上映されていました。
日本の伝統芸能である歌舞伎。
気にはなっていたもののなかなか敷居が高かったのですが、思い切って鑑賞してみることに。
その日の演目は「東海道四谷怪談」、あの有名なお岩さんのお話でした。
多くの人で賑わっていました。
その中にはお着物を着ている方も多く、私も大人の女性の仲間入りができたような気分でした。
博多座の中には多くのお店があり、お弁当や軽食、甘味を買うことができました。
歌舞伎の上映時間は長めなので、休憩時間にはカフェやレストランに行く方も多かったです。
歌舞伎の内容は昔の言葉が使われていたり、独特の言い回しやお決まりのお約束があったりと初心者には少し難しいと感じられるものも多いです。
私はイヤホンガイドという歌舞伎の内容を解説してくれる音声ガイドをレンタルしました。
正直、このガイドがないと内容が少しわからなかったかと思います。
歌舞伎をより楽しめるような情報も聞きながら鑑賞することができて、とても満足度が高かったです。
初めて観る歌舞伎はとても面白く、見事なパフォーマンスやあっと驚くような演出もありとても充実した時間を過ごすことができました。
着物レンタルの感想
初めての着物レンタルでしたが、とても有意義な時間を過ごすことができました。
着物用の下着な小物などが一切必要なく手ぶらで着付けに行けることや、可愛い髪飾りや小物を選ぶことができること、プロの方に着付けをしてもらえることは初心者にとっても着物を体験するハードルがぐっと下がり、気軽な気持ちでお着物を楽しむことができました。
6月だったこともあり暑さが心配だったのですが、夏着物だったということもあり思っていたよりも涼しく着心地がよかったです。
またお着物で散策するとお店の方が話しかけてくれたり、お着物を褒めてくれることもあり、とてもほっこりする気持ちになりました。
お着物を着て古き良き博多の街を探索することは、普段見落としがちな自分たちの文化やルーツに想いを馳せる素敵な体験でした。
ぜひみなさんも博多和凛で着物体験をしてみてはどうでしょうか?
博多和凛https://walin.jp/shop/hakata/
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